事業紹介:Tokyo Choral Festival 2021

2021年6月6日、「Tokyo Choral Festival 2021」を開催いたしました。
この時期は、例年ですと、「全日本おかあさんコーラス東京支部大会」を行っています。
全国大会の予選にあたり、2日間で約80ものおかあさんコーラス団体が、思い思いの衣装に身を包み、美しい歌声で聴く人々を楽しませてくれます。
今年は新型コロナウィルスの影響で、4月末に3回目の緊急事態宣言が発出され、おかあさんコーラス東京支部大会は中止が決定してしまいました。
昨年も中止だったので、2年連続の中止です。(※この時点では、全国大会は開催予定でした。)
このままでは、歌う場がずっと失われてしまう。
歌うことは、生活のために欠かせないこと。
東京都合唱連盟は、「歌う場を提供すること」を使命に活動してきました。
この2年、沢山の「歌う場」が失われました。
おかあさんコーラス大会に申し込み、ホールで歌えることを楽しみにしている方々に場を提供したい。
何とかして歌う場を提供できないか。

委員会での熟慮の末、特別事業として、「Tokyo Choral Festival 2021」を開催し、おかあさんコーラス大会に申し込みをされた団体に出演してもらうことにしました。
おかあさんコーラス大会とは別のイベント、フェスティバルにすることで、出演者の皆さんの体調やご家族のご意向を考えて、出演を選択できるようにしました。
検温や消毒はもちろんのこと、リハーサルや更衣の時間をなくして接触機会を減らしました。
2021年6月6日、25団体の合唱団が集まりました。場所は、府中の森芸術劇場どりーむホール。

感染対策を万全にし、入場します。

いよいよ本番です。
客席から舞台袖に、合唱団のメンバーが移動してきます。
更衣なしの制約の中、ある団体は統一された衣装、またある団体は、トーンを揃えた私服での参加。
いろいろな工夫をして、この舞台に臨まれていました。
静かに出番を待ちます。
そして、ステージへ。

出演者の皆さんの、「やっと歌える!」といううきうきした顔。
会場に響き渡る、美しい歌声!
待望の瞬間でした。
客席から、惜しみない拍手が送られました。
久方ぶりに、生の歌声を聴ける喜びを感じられた方も多かったでしょう。
偶然にも、全団体が異なる曲を演奏するという、選曲の豊かさも魅力的でした。
全団体が演奏を終えたのち、
簡単な閉会式を行い、解散となりました。
歌う場を、そして聴く場を提供できてよかった、と心から思える一日となりました。

執筆:CANTUS ANIMAE 佐藤伸行

事業紹介:春こん。2020・2021

春のコーラスコンテスト(通称春こん。)は、毎年2月から3月にかけて4日間に渡って、開催しています。

春こん。は部門が様々あることが特徴です。学生団体を対象としたSchool Choir Contest (ジュニアの部、小学校の部、中学校の部、高等学校の部)と、一般団体を対象としたVocal Ensemble Contest(ルネサンス・バロック部門、宗教音楽部門、フォルクロア部門、ジャズ・ポップス部門、クラシック・ 現代音楽部門(指揮あり・指揮なし)、ユースの部)の2種類のコンテスト、計10部門に分かれています。例年200団体近い合唱団が自分達の特徴にあった部門を選び出演しております。

【春こん。2020】

2020年2月後半は新型コロナウィルスの感染が日本にも広がりつつある時期でした。春こん。2020の一般の部は丁度この時期にあたり、連盟として開催できるのか議論が続きました。当時検証実験もされておらず、一体どうすれば感染を予防できるのか、日々情報が変わる中、私たちが出した結論は「開催」。歌う場所を守るという、都連の使命を全うするための決定でした。

コンクール当日は辞退する団体も数多くありました。そのような状況下でも、出場した団体からは「開催してくれてありがとう!」 との声を沢山いただきました。その後、一回目の緊急事態宣言が発令されホールや練習会場が使用禁止となり、たくさんのイベントが中止となりました。春こん。2020を開催できたのはギリギリのタイミングでした。

【春こん。2021】

2021年の春こん。も、すんなり開催とはいきませんでした。2月に予定していたSchool Choir Contest は緊急事態宣言下の日程となり延期。出演できなくなってしまう団体もありましたが、その後、幸運にも4月に日程を変更し、延期開催することができました。

学校関係の団体はこの1年間コンクールもなく、 学内イベントでも歌うことができなかったとの声を多く聞きました。学校の仲間と歌うという取り戻せない 1 年を失っていました。春こん。はそんな学生たちの演奏の場となれたのではないかなと。

会場は瑞々しい歌声と、拍手、笑顔で溢れていた。この場所を守るために活動してきたのだと、実感できる一日でした。新型コロナウィルス感染拡大から、春こん。を中止せずに2回開催できて、沢山の笑顔と出会えたことは、スタッフ一同の心の支えとなっています。

執筆:Gaia Philharmonic Choir 坂井聡大